「和の知恵」
日本の住宅では、窓の最下部が床の高さと同じ「掃き出し窓」が多く使われています。
もともとは、掃除の際にほうきなどでホコリを掃き出せることからこのように呼ばれ
ました。
この「掃き出し窓」は世界の住まいでも多用されていると思いがちですが、欧米社会
の住まいでは、意外に少ないようです。
日本で多く採用された理由は、日本人の「床に座る」という生活習慣が関係しています。
床に座るのと、椅子に座るのとでは、当然、目線の位置が違ってきます。椅子座では、
窓の下部が床上90cmくらいの所についていたとしても、特別気になりませんが、床座
の場合は、窓の下部が床上45cmを超えると、閉塞感を感じ、落ち着かない気分になって
しまいます。これは、人間の生理的な間隔だそうです。下部が床面と同じ高さの掃き出し
窓は、床座という生活様式にマッチするように作られていたのです。
2021/09/25